来る日も来る日も仕事仕事…、私は窓際サラリーマン族歴35年。
間もなく定年を迎えようとしているが、今でも毎日電車に乗って会社へ通勤。
コロナなのにマスクをしていない若者に睨まれながら、背中を丸めて生きている。
本当は言いたい。電車ではマスクくらいしようではないかと。
今までも私は争いごとを避けながら生きてきた。
だから心の中で言うだけで口には出さない。それが日本人の美学と私は思う。
そんな私の趣味は競馬一筋40年間。
父親の影響で幼少期から競馬を見続けてきた。
その昔はシンザン、コレヒデ、カブトシロー。
ホウヨウボーイ、シンボリルドルフ、オグリキャップが好きだった。
それから平成期。ナリタブライアン、トウカイテイオー、グラスワンダー…。20世紀を彩ったスターホースたち。
人間社会では争いごとは嫌いだったけど、馬の世界ではこの秒、いやコンマの争いに興奮を覚えたのだった。
それから21世紀。シンボリクリスエス、ディープインパクト、ウオッカ…。言い出したらキリがない。
馬は初出走から5年も経てば引退する。私も会社員の引退を迎えようとしている中、このコロナウイルスが世界を襲った。
私の青春であった渥美清、菅原文太、渡哲也、石原裕次郎がいなくなり、今回このコロナウイルスで志村けんが亡くなった。
時代が変わると共に、テレビの向こう側で見る楽しみも無くなって行った…。
そんな中、変わらないのがやはり競馬だ。
ラジオの向こう、テレビの向こうでは毎週土日は必ず行われている。
各地方都市にも、馬券を買うために色々な施設があるだろう。私は馬券を買いに行くことが趣味である。
しかしコロナウイルスのお陰で無観客となってしまった…。もちろん緊急事態の際は、場外馬券場は閉鎖された。
私の楽しみが無くなったのだった。
そこで私はインターネット投票を覚え、なんとお金が数字にしか見えなくなっていってしまったのだ。
老眼で大変な時に、まさかパソコンを購入するとは思ってもみなかった。
今までずっと昔から変わらずアナログ生活現金主義で生きてきたけれど、ネット上でお金のやり取りができる時代が来るなんて…。
正直、ペイペイとか、スマホ決済とか、嫌いなのだ。だって現金は手にして初めて重みと有難みが分かるのだから。
それをインターネットのワンクリックだけで決済し、物事が進んでいくって、凄く恐ろしいことだと思う。
それは日本人としての価値観の問題なんだけど、便利と捉えている人が多いだろう。私はそうは思わない。
お金の大切さ、仕事をしてお金を頂く有難み、これは私たち昭和の日本人たちは先人から教わってきた大切な社会教養である。
それが今は感じられない。
お金から見る、日本人としての大切な価値観。これを現代日本人は忘れてしまっているのではないだろうか。
もちろん私は現金を大切にしてきたが、競馬のインターネット投票では失敗ばかり。
間違って購入金額を1点1万円のつもりが、軸の3連勝単式に全て賭けてしまうなど、ワンクリックの恐ろしさを知った。
気が付いたらお金の感覚、そう金銭感覚が崩壊してしまったのだった。
僅かな貯金はコロナ禍の自粛で瞬く間になくなってしまった…。
そしてボーナスの半減。これが非常に辛かった。予定していた支払い物が間に合わなくなり、なんと銀行から借り入れをする始末…。
誰にも相談できなかった。
そして私は消費者金融でお金を借りようか、今現在非常に悩んでいるのである。